新型コロナウイルスにアビガンが効くとか、シクレソニドやナファモスタットが効果がありました!
なんてニュースが立て続けに出ており、本ブログでも何個かまとめさせて頂きました。
ドラッグリポジショニングの記事でも述べさせていただきましたが、このような既存のお薬でも別の用途に化けることがあります。
例えば今回でいえばシクレソニドは喘息のお薬ですし、ナファモスタットは膵炎のお薬ですね。
どれが効くかなんて、なかなか分からないわけです。
では、網羅的にチェックしてみよう!というのが、
今日ご紹介する北里研究所のプロジェクトです。
ただし今のところ抗ウイルス薬に限定なので、ドラッグリポジショニングというより適応追加の模索や既存薬をもとにした更なる新薬開発ということになるかも。
要約
・北里研究所が既存の抗ウイルス薬の中から新型コロナウイルスに効く薬を探し始めた
・半年以内に効果的な既存薬を見つけたいと考えている
・3年以内にリード化合物を見出したいと考えている
・このプロジェクトは長期目線で見るべき、新薬は現在挙がっているもののほうが早いはず
プロジェクトの概要
今回のスクリーニングプロジェクトは「COVID-19対策北里プロジェクト」と名付けられています。
本プロジェクトは、北里研究所が2021年3月までの1年間の期間で、製薬会社からの寄付(2億円を募る)を用いて実施する、COVID-19に対する治療薬探索プロジェクトです。
国内外で承認されている「抗ウイルス薬」を集めて、大規模なスクリーニングを行い、半年以内に効果的なお薬を見出すことを目的としています!
ここで得られた研究成果をもとに、3年以内にコロナウイルスに対するリード化合物を見出したいとのことです。
今回の疾患の原因ウイルス「SARS-CoV-2」は分離可能な状態となっているため、これを用いてあれこれ試してみて、どのお薬にどんな効果があるか?その作用機序はどうなのか?といったことを見ていくということですね。
網羅的スクリーニング
医薬品開発における網羅的スクリーニングについて、私は詳しく述べられるほどの知識は持ち合わせておりません。
簡単に概念だけご説明させて頂きます。
カギと鍵穴をイメージすると分かりやすいと思います。
手元に数百のカギがあって、どれが正解か確かめるために、全部のカギを鍵穴に入れてみるというわけですね。
実際は鍵穴も複数あったり、そもそも鍵穴が良く分からないなんてこともありますので、そんなに単純じゃないぞ!と本職の方には怒られてしまうかもしれませんが、概念とし大きくずれていないと思います。
リード化合物
リード化合物とは創薬を行う上での出発点となる化合物のことです。
これにあれこれ官能基を修飾したりしながら、化合物の薬効を見ていくわけです。
既存の抗ウイルス薬で効果的なものがあれば、それをリード化合物として、更なる医薬品を作成していこう!
というわけですね!
上記の例でいえば、より鍵穴にあうカギを作っていくイメージですね!
そのためのおおもとのカギがリード化合物というわけです。
今後の展望
このスクリーニングにより、現在効果的と言われている「ギリアドのレムデシビル」や「富士フイルムのアビガン」を超える効果的な薬剤が見いだせるかもしれませんし、更なる治療薬の開発につながる可能性もあります。
ただこれからスクリーニングを行っていくわけですので、すぐに治療薬創出といった結果につながることはありません。
リード化合物が見つかったとしても、臨床試験をスキップすることにはならないからです。
そのため、このプロジェクトは長い目で見ていかねばなりません。
ぽんぽこ新薬が出てくるわけではないので、そこは留意するべきですね。
まずは現在臨床試験が進んでいる既存薬や血清、ワクチン等の完成が、人類の反撃の狼煙となるでしょう。
もっと世の中が進めば、「全ての薬について、全ての疾患についてスクリーニングを行い、効果的な薬剤を見出す」!
なんてことも現実的になっていくと思います。
既にAIを用いて、所有する化合物ライブラリーに対して、網羅的なスクリーニングを行っている会社もあります。
ただ技術的に可能となっても、特許やら政治的な問題が絡んでくるので、全世界の全化合物を一律にというのは人類には無理かもしれませんね。
雑記
外出自粛で「どうぶつのもり」が売れ行き抜群みたいですね!
そんなことなくても抜群に売れるでしょうけど、さらなる追い風ですね。
私もこないだswitch購入したので、今やっているファイアーエムブレムが終われば購入します!
ふと思ったのですが、こーいう外に出にくい時、ポケモンGOはどうなんでしょう?
たまに人だかりを見ることもありますが、コロナ騒動の時はポケモン出にくくなってたりして?
普段インドアな私ですが、今日は雪が降っていたので、外に出たくてたまりませんでした!!