いつのまにか夏休みの季節になりましたねー。
学生のみなさんは楽しい夏休みの計画を立てているところでしょうが、社会人は通常営業で夏休みはどこ吹く風です。
それとも今年はCOVID-19のせいで、学生さんの夏休みも減っているのでしょうか。
みなさんは夏休みの宿題をいつ頃から始めましたか?
のんびりマイペースな私は8月31日から!とまではいかないまでも、お盆過ぎくらいからやっと腰を上げはじめ、何とか31日までには終わらせるという、割と無難?な感じでこなしていました。
どうぶつの森でクラゲが出る頃が宿題スタートということですね。
あつもりのクラゲは海に潜って取りますが、昔は釣りでした。
今日はそんな夏休みの宿題の法則に代表されるタイムマネジメントの法則を、臨床開発のオペレーション業務を強引に交えながらご紹介してみようと思います。
パーキンソンの法則
まだ時間があるし後でいいかな?
与えられた時間を全て使おうとしていませんか?
「資料提出締め切りがまだ1か月先だから、よゆぅー!」とか
「取りあえず置いておいて、別のことしちゃおう!」とか
「まだまだ先のこと。今日はもう疲れたから帰る。」とか
そんな感じですね。
臨床開発のオペレーション業務では色々と資料を作成/提出することがよくあります。
例えば、アンジェスの件で話題になりましたが、治験開始前には必ず治験審査委員会(IRB)にもろもろの書類を提出する必要があります。
これを「初回申請」と言いますが、これには治験実施計画書や治験薬概要書といった、すでに作成してある文書以外にも色々と作成しなけらばならないものが多く、だいたいにおいてタイトなスケジュールとなるのです。
期限が1か月もあると余裕をかましていると、締め切り2週間ぐらい前になって焦ることになるのです。
同意説明文書の案を提出したら、医療機関からたくさん直しが入ったり、我々としては削除してもらっては困るところを削除されたり。
なお同意説明文書は本来は治験責任医師が作成するものです。
逆に過去の有効性のデータをもっと載せてと言われて、上にあげなきゃいけなかったり。
あーもう間に合わない。
土日出勤なんて自業自得な展開になったりも。
これは「パーキンソンの法則」と言います。
ちなみにこれが夏休みの宿題に関する法則ですね。
「まだまだ期間に余裕があるからと手を付けるのが遅くなり、最後の方で大騒ぎ!」するパターンのことです。
これを解決するためには「ゴールではなく、スタートを意識しよう!(いつまでではなくいつから)」と言われています。
やり始めればやる気が出るという理論にもつながる話ですね。
締め切りが一か月先でも取りあえず手を付けて、クリティカルチェーンを洗い出しておけばよいのではと思います。
クリティカルチェーン:もっとも時間のかかる作業の連鎖部分
サバ読みの法則
これぐらい期間があれば安心ね!
過度に余裕をもった、99%達成できそうなスケジュールを提示していませんか?
「るなさん、この試験の対象として適切な患者像の叩き台を作成してください」
と言われたことがあります。
何となくイメージはついていたので、すぐできそうだったのですが、
「一応文献洗ってから考えまーす!今週中でよいですか?」
なんて、ちょっと余裕見て返しました。
実際には2日で片付いたのですが、余った時間は他の仕事のフォローに当てちゃいました。
ほんとは短期間で終わるのに、サバを読んで余裕ありすぎる時間設定にしてしまうケースです。
そうすると時間を無駄に使ってしまうことにもなりかねませんね。
つまり「期間設定は余裕を持ちすぎないようにしよう!」ということですね。
ついつい守りに入ってしまいますが、攻めの姿勢で仕事に取り組みたいですね。
その分お給料も上がるといいのですが、処理する仕事が増えるだけじゃない!という現実はここでは無視します(笑)
伝播の法則
早く終わったからゆっくり見直ししようかな?
生まれた猶予を無駄に消費していませんか?
ある仕事とそれに続く仕事があった場合、先の仕事を早く終わらせたにも関わらず、丁寧な見直しをして、次の仕事の開始が早まらないことを指しています。
契約書って場合によっては色々な部署を経由する必要があるのですけど、
「ミスがないかしっかり確認しよう!」
なんて自分のところでのんびり止めていると、次に迷惑をかけることになります。
これが積み重なると、全体のスケジュール遅延に与える影響は大きくなってきますね。
つまり「生まれた余裕を次につなげよう!」ということですね
これも上と同じで、どんどん前に進んでいく姿勢が大事ということですね。
全てが最優先の法則
あれもこれもやって、えーとどこまでやったかしら?
あれこれ手を出して、中途半端になっていませんか?
開発の仕事をしていると色々とマルチタスクが発生します。
5つの病院を担当していたら、5つの病院の症例進捗を管理していく必要があるわけです。
それ以外にも全体を統括する業務もあります。
A病院の有害事象の対応をしつつ、途中で切り替えてB病院やCクリニックの症例組み入れに関する仕事をする。
そしてまたA病院の仕事をしようとすると、A病院の仕事がどんな仕事だったかな?とか、どこまで進んだかな?など、業務を把握しなおす手間があることを指しています。
つまり「業務をばらばらに行いすぎないようにしよう!」ということですね
マルチタスクはストレスにもなると読んだことがあります。
ビュッフェであれこれつまむのではなく、1品ずつ注文してがっつり頂く感じですね。
あ、ちなみに私、ビュッフェだとデザートから持ってきます。
私にとって、デザートは前菜でもあるのです!(原語に真っ向から立ち向かう)
デザート:語源はフランス語の「dessert (デセール)」に由来し、この「dessert」は、「食事を下げる」「食卓を片付ける」という意味の「desservir(デセルヴィール)」に由来
まとめ
最近重めの記事が多かったので、ちょっと趣向を変えて、タイムマネジメントのお話をしてみました。
他のお仕事していても、結構思い当たる節はありませんでしたか?
今回まとめたような点を意識するとタイムマネジメントが上手にできるようになるかもしれませんね(自戒)
人は平等ではないと思います。
その能力も環境も、全然平等じゃないですよね。
命の価値でさえも、実際は平等として扱われているでしょうか?
これは相対的な価値の比較かもしれませんが。
でも「流れる時間だけは平等」ですよね。
ビルゲイツも、私も、そしてこれを読んでいるあなたも、一日24時間で変わりありません。
その時間の価値は異なるかもしれませんが、少なくとも流れる時間は等しいですよね。
タイムマネジメントとは、「絶対的に平等な時間という資産を上手く扱うためのすべ」なのです。
社会人にとって夏休みの宿題は遠い日の懐かしい思い出かもしれませんが、面倒な仕事が舞い込んできたら、後回しにする前にちょっとこのこと、思い出してみてくださいね!(自戒:2回目)
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