最近めっきり投資関係の記事を書いていませんので、たまにはいいかなと思って書きました。
ポートフォリオでは開示していませんが、私はバイオ関係の株については常日頃色々と触っております。
また学生時代から触れていることもあり、古くはアキュセラショックから、最近ではサンバイオショックまで、いわゆるバイオショックについても実戦の場で見てきていますので、それなりに扱いについては手馴れているつもりです。
だからといって、常勝不敗とはいかず負けることも当然あります。
でも、大きく勝てずとも大きく負けないことを意識してバイオ株を嗜んでいるため、それなりの利益を出しています。
今日は、そんな私のバイオベンチャー投資の嗜み方を成功・失敗事例を少し交えてご紹介したいと思います。
なお、どの銘柄がいい!とかパイプラインのここを見よう!とかは、短期的にはあまり意味がないのでやりません。
そーいうのは企業秘密で。
というか私も確たることはいえません。
なお先に述べておきますが、記載するのは「私のスタンス」ですので、正解ではありません。
また私もスタンスは決めていますが、状況に応じて流動的な対応はします。
同じように対応しても損をする可能性は高いです。
そして最も重大なことは「特定の銘柄の購入や売却を推奨するものではない!」ということです。
また「特定の企業に対する私の生の見解(オブラート無し)も記載」していますので、ホルダーの方は気分を害するかもしれませんが、個人の見解ですのでスルーしてください。
今日の内容はややアグレッシブな内容です
その点もご了承ください
Contents
短期的な上昇に理屈はあてはめない
バイオベンチャーは多くは赤字です。
パイプラインには光るものがあっても、それはまだ臨床試験に乗っていなかったり、乗っていたとしても第1-2相だったり。
要は「現実ではない夢の塊」です。
ファンダに当てはめれば、値が付かないほどの株価になってしまうものもたくさんあります。
それでもパイプラインが少しでも光を放てば、冗談かと思うくらいに一気に駆け上がることもあるのです。
そこに合理的な意味などありません。
理屈など当てはまりません。
そんな風に思えます。
常軌を逸した株価になることもしばしばあります。
それでも結果として「株価は上昇した」のです。
投資で大事なのは結果だと私は思います。
理由はどうあれ勝てばよいのです。
しかしこの上昇はいつまでも続きません。
必ずや崩壊があります
それを回避する方法について、次の項以降で私の考え方を少しご紹介します。
その前に私の失敗事例をひとつご紹介しましょう。
失敗事例:アンジェス
この記事を読まれるようなみなさんはアンジェスをご存知ですよね?
株券印刷が得意なバイオベンチャーです。
上市品としては再生医療等製品でコラテジェンを出していますが、薬価も低く、効果も微妙で業績には結び付いておりません。
万年赤字企業で、株主からの吸血で生きながらえています。
最近は税金にも手を出しました。
そんなアンジェスがCOVID-19のDNAワクチンの開発に手を出すとの話が出ました。
私も3月頭あたりで記事にしました。
当時の株価は600円ぐらいだったでしょうか。
今も昔も、成功するとは思っていません。
まーた変なことに手を出して・・・次はいつ株券刷るのかな?
ぐらいに考えていました。
ところがそんな私の思いとは裏腹に、株価は急上昇し、一時期2,000円を超えるまでに急騰したのです。
私は「万年赤字の印刷業たるアンジェスなんかが、未知(アンジェスに限らずまだ上市品のない)の技術であるDNAワクチンを、風邪のウイルスの親戚であるSARS-Co-V2に対して、適応できるなんて欠片も思いませんでした」ので、購入は見送りました。
理屈を当てはめて考えたわけです。
しかしそれは「投資」の観点では大きな誤りだったわけですね。
バイオベンチャーの「短期的な上昇」に理屈などいらないわけです。
人々にはCOVID-19に苦しむ中での救世主に見えたのでしょう。
なお私には風来のシレンの正面戦士に見えました。(マニアックな例え)
小まめな利確を、含み益は幻
さて短期的な上昇を享受できたとして、それをどのように確定させていくか。
これは永遠の課題になりますね。
ベストな対応などできないと考えても良いと思います。
ストップ高が続けば、次の日も上がると思いますよね。
掲示板やTwitterでは銘柄を称賛する声があふれ、まるで成功が確約されているかのように錯覚してしまうこともあるでしょう。
実際に株価は天に向かって駆け上り続けることもあります。
でも前述のとおり、実体の伴わない株価はいつか必ず崩壊します。
上手くいけば数年後には業績が追い付くじゃん!といいますか?
バイオベンチャーは業績が株価に追いつくことはまずありません。
黒字化を達成できるような企業はほんの一握りです。
みんながみんな成功していたら、みーんな薬の開発で大儲け、世界から病気はなくなります。
医薬品の開発は難しいのです。
大手製薬会社が失敗を重ねているのに、その辺のバイオベンチャーがぽんぽこ成功するわけないのです。
自分が投資した企業は大丈夫だと思いますか?
そんなものは錯覚です。
もしそうなったとしたら、それは素晴らしく運がよいと思ってよいでしょう。
だからこそ、小まめな利確が必要だと私は思います。
含み益など、ただの幻です。
噴いたら売る、少しだけでも!
そこで私が取っているスタンスの一つが「噴いたら売る」です。
バイオベンチャーは非常に過熱感が出やすい銘柄なので、ちょっとでもよい(と期待させる)IRが出ると、すぐにストップ高をつけたりします。
翌日も上がるかもしれません。
でも私はここで部分的に利確します。
特にIRの内容がしょぼい場合は利確の割合をあげます。
例えば、オンコセラピーが出した1例目の症例組み入れのIR、あんなものでストップを出した場合は一旦全部売ります。
オンコセラピーは良い銘柄かもしれませんが、だからと言って売ることを躊躇する必要はないと思います。
投資に私情など不要です。
好きな銘柄の「投資」は、私は失敗率が高いです。
そういう銘柄があっても良いと私は思っていますが、バイオでそれをやるとだいたいまずいことになります。
・・・〇―〇〇(※モールス信号ではない)
また過熱感の出ている銘柄、最近だと上場したてのモダリスなんかは、毎日上に下に大騒ぎしていますね。
結果的には初日から持ち続けていれば、数百万円の利益を生んでいましたが、私は急騰の度に少しずつ利確しているため、利益はだいぶ縮小しています。
でも、これは安全のためです。
バイオベンチャーはいつ増資がしかけられたり、臨床試験失敗から、株価が崖から転がり落ちるか分かりません。
アキュセラやサンバイオを決して忘れてはなりません。
モダリスはキャッシュが潤沢で増資を仕掛けるようなリスクは低いかもしれませんが、VCは注意が必要ですし、かなり過熱感が出ていますので、いつ急落してもおかしくはありません。
もちろんこのまま5桁まで行くかもしれませんが、私は安全を重視して少しずつ利確していきます。
途中でまた買ったりすることもありますが、それも慎重にさばくようにしています。
次に噴いたら売るの成功事例を一つご紹介しましょう。
成功事例:サンバイオ
サンバイオショックについての記事でも少し触れましたが、私はサンバイオについては三連続ストップ高の時に、既に過熱感が出すぎており、実態と乖離しすぎていると判断して全て処理しました。
その後は処理した価格の倍まで上がりましたが、ご存知の通り、今は見る影もありません。
利益の最大化は逃しましたが、暴落に巻き込まれるのは避けることができました。
ずっと持っていたら幻の含み益とともに、地面にたたきつけられていました。
そんなことになったら、メンタルブレイクされてしまいます。
3,000円くらいで買っていたので、大して損がなかったとしても、心のダメージは大きかったでしょう。
・参考:サンバイオショック
長期的にはファンダに収束、チキンレースにいつまで付き合う?
急騰した株価もいずれはファンダに収束します。
投資家がいきなり冷静になるときもあるのです。
サンバイオの時はいきなり冷や水をぶっかけられましたね。
冷や水というか液体窒素だったのかもしれませんが。
高値で安定している時、それはもう逃げ場かもしれません。
いままで小まめに利確してきた残りを全て処分する時です。
そういう時に冷静に考えましょう。
私はバイオベンチャーの株は持ち続けられるものではないと思います。
いずれ逃げなきゃいけないのならば、逃げるべきはみんなが勝利を確信して、高値で安定しているときかもしれません。
「みんながみんな、褒め始めたら終わり」
これは私の感覚です。
掲示板やTwitterが誉め言葉一色になったら、私はもう潮時だと思います。
それが「長期的に高値で安定してきて、みんなが勝利を確信しているとき」ということです。
その時は裏口からそっと帰ります。
ネガティブな意見に耳を傾ける
これは常に心がけていますが、株価が急騰している時、みんなその銘柄を褒めたたえます。
どれも嘘ではないでしょう。
でもそれを真に受けてずっと持っていると、必ずや痛い目を見ます。
そんな時に耳を傾けるべきはネガティブな意見です。
掲示板やTwitterで他の人から叩かれているような意見がいいでしょう。
何の根拠のない、「ガラるとか明日はストップ安」とか、そういうノイズに耳を傾けろというわけではありません。
治験のこと、パイプラインのこと、市場規模のこと。競合薬のこと。
客観的で冷静な意見がたまーにあります。
熱狂に水を差すような意見なので、一蹴されているかもしれませんが、そんな意見は貴重ですのでよく検討してみるべきです。
かくいう私もサンバイオが過熱している時に、市場規模と売り上げのことや費用対効果の話を某所に記載したことがありますが、袋叩きにあいましたね。
過熱している時はみなさん、威勢がいいのです。
夏場のセミのようなものです。
でもその後にサンバイオショックがあり、大きな声で鳴いていたセミはみんな地に落ちました。
あんなに威勢よく罵倒してきたのに、最期は鳴きもしませんでした。
そのしばらく後は会社や社長に罵詈雑言の嵐です。
見ていて気持ちの良いものではありませんね。
文句を言いたい気持ちは分からないでもないですが、投資は自己責任ですので、結果は甘んじて受け入れなければなりません。
芽の出ないタネでも蒔いてみる
これは私の趣味でもありますので、推奨はしません。
けど、宝くじ買うよりも面白いですよ。
バイオベンチャーは低位ぼろ株がたくさんありますね。
あれをちょびっとだけ買っておくのです。
いわゆるバルク買いです。
もはや芽の出ないタネなのですが、ごくまれに芽が出る時があります。
何かの間違いかと思うような急騰を演じることもあるのです。
10個のうち1個でもそういうのがいると、元が取れたりするのですね。
例えば今年のテラとか。去年のシンバイオとか。
どうせ紙くずになると思って買っておけば、日々の上げ下げなど気にする必要もなく、
一種の宝くじみたいな感覚で持っておくのも面白いかもですよー!
まぁ低位バイオは良いIRに増資を重ねるような、隙を生じぬ二段構えをとってくるところもあります。
IRで天翔ける株価もそんなことをされれば、地を這うことになります。
名前の変わったアキュセラ(窪田製薬)がこないだやってましたね。
さすが四天王は格が違う。
まとめ
今日はバイオベンチャーの嗜み方について、私見をつらつらと書いてみました。
みなさんと同じ部分はありましたか?
まだまだ事例含めてたくさんあるのですが、これぐらいにしておきます。
え、銘柄の選択ですか?
短期的な上昇は有望「そう」であれば何でもいいのです。
よほどのことがない限りは。
市場性や革新性を見るのは途中からでも大丈夫です。
どこで逃げるかの算段をするときは、知識と経験が役立ちます。
それは人に教えられるものでもないですね。
私だって何がベストなのか分からないもの。
バイオ株は面白いですが、非常に難しくリスクの高い投資だと思いますので、チャレンジされる方は十分ご注意ください。
間違っても信用取引でアンジェスを買うようなことはオススメできません。
私はアンジェスショックからのマザーズバイオショックに備えて、モダリスを徐々に利確しつつ構えることとしています。
そんなものがなければ、COVID-19的にもハッピーなのですが、果たしてどーなるでしょ?
※この記事はセンシティブな内容なので消したりするかも?
※当ブログにおける見解は個人的見解であり、所属する企業の見解ではございません。また特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。