みなさんはゲームをされますか?
私はゲームが好きで有名どころ(ドラクエ、FF、モンハン、ペルソナ、Minecraft等)から、極めてマニアック(Cities skylines、stellaris、Kenshi等)なものまで幅広くやります!
ゲームというと暴力がどうだとか、ひきこもりがどうとか、ゲーム脳なんてセンセーショナルな言葉が流行ったりと、何かと悪者にされることが多いジャンルですね。
ところが近年、このゲームの技術を医療に活かす動きが活発化しています。
今日はゲームに着目して、いつもの薬とはちょっと違った視点で、医療について考えていきたいと思います。
身近なゲームの活躍
本題に入る前にまずは身近なゲームの活躍について、ヘルスケア分野以外も含めて見ていきましょう。
・ポケモンGO
みなさんポケモンGOはプレイされていますか?
私はダウンロードしつつも肌に合わずやめてしまいました。
たまに駅とか広場とかにスマホを見つめている人だかりができていて、びっくりすることがありますね!
ポケモンGOは世界的に流行しているメガヒット作品です。
いわゆる位置ゲーであり、実際に外出して、様々な場所を移動しながらスマホの位置情報を活用してポケモンを捕まえるというゲームです。
あちこち移動するというゲームの性質から、普段あまり運動したり、出歩いたりしない人でも、ポケモンを捕まえるために歩くという行動変容につながったと言われています。
確かに「運動療法」なんて言われるより、楽しく健康に近づけますね!
なお、歩行の健康増進効果ですが、1歩当たり医療費抑制効果を0.0065~0.072円と算出されています。
国土交通省:https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi07_hh_000107.html
ちなみに私はコロニーな生活☆Plusという、現コロプラ社の礎となった位置ゲーをずっとプレイしていました。
ご存じの方、おられますか?
コロプラ社はいまや投資家界隈では超有名企業となりましたが、馬場さんは私にとってはコロニーな生活のGMであり、1コロです(笑)
何なら今でもコロニー残してあります。
スタンプ集めるために友達と関東1周したりしましたよ。
あとゲーム内のアイテム合成機能を解析して、プラ長者になりました(笑)
・脳トレシリーズ
DSの脳トレシリーズをご存知ですか?
東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授の監修のもとで、開発されたシリーズですね。
掛け算などの簡単なミニゲームが複数組み合わされたゲームで、私も妹とやっていました。
私や妹よりも、母がはまっていたのが印象的でしたね。
このシリーズは普段ゲームをプレイしないような人にも認知され、大変な売り上げがありました。
認知機能の低下防止の効果だけではなく、脳トレを通じて家族間のコミュニケーションが促進されたとの報告も上がっています。
・Minecraft
言わずと知れたMinecraft。
世界最強のサンドボックスゲームといっても過言ではないでしょう。
積み木やレゴが子供の空間認識能力の向上に寄与していたり、認知機能向上に寄与することは知られていますが、Minecraftも同様にこれらの能力の向上に寄与するのではないかと言われています。
一部教材に活用されている国や機関もあるそうです。
ちなみに私はVer1.7.10に200個ほどModを詰め込み、Shader入れて高画質でプレイしています。
工業化Modと魔術Modとか、もはやバニラには戻れない。
PCもそのために一から勉強して30万程かけて構築しています。
(うちの人にはばれてない…はず)
ゲームに対する偏見
他にもゲームによって得られるものはたくさんありますよね。
私は無駄知識から実用的な知識まで、幅広く得ることができています。
最近は英語しかないゲームのために無理やり英語を駆使したり、Mod導入のために無駄にPC知識がついたりしています(笑)
「ゲーム=悪者」という考え方をかたくなに持ち続ける人は一定数います。
そもそものメディアがゲームを悪者にしがちですしね。
まぁ本当に悪者であるときもありますし。
しょうがないのかな?
薬の開発でも毒を薬に変えたり、ある薬の副作用を主作用に転換したりすることもあります。
私は視野を広く持つことが大事だと思います。
固定観念や先入観というものは、視野を狭めてしまうので、あまり持ちすぎないほうがいいのかな?と個人的には思うのです。
ゲーミフィケーションとヘルスケア
さて何か話が終わりそうですが、一応ここから本題に入ります。
「ゲーミフィケーション」という言葉があります。
これは2011年頃にアメリカのシリコンバレーで使われ始めた言葉で、「ゲーム以外の文脈にゲームの要素を展開する」という意味です。
簡単に言うと「ゲームを活かして、ヒトの行動を変えていくこと」です。
製薬会社はその名の通り、主として医薬品を開発・製造・販売しています。
ところがこの医薬品の開発には莫大な費用と期間を必要とし、失敗すれば全てパーになってしまいます。
特に近年は開発候補化合物の枯渇や要求水準の上昇、そして日本でいえば薬価抑制政策の影響もあり、製薬会社の経営に影を落としています。
そこで製薬会社はこの「ゲーミフィケーション」を取り入れたヘルスケアソリューションの開発に手を広げてきたというわけです。
癌がゲームで治ると言われると、「はぁ?」ってなりますよね?私もなります。
ただこれが糖尿病だとどうでしょうか。
ゲームによる生活習慣の改善、つまり行動の変容が糖尿病の改善に寄与できると言われると、ちょっとあり得るかも?と思いませんか。
2型糖尿病は生活習慣の改善が治療方法の一つにあります。ポケモンGoで運動が促されれば、もうそれだけで結構な貢献ですよね。
中枢神経系の疾患ではどうでしょうか。
中枢神経系の疾患は根本的な疾患の発現機序が不明確なこともあり、神経伝達物質の増減や受容体の刺激等、やや対症療法的な薬物治療が行われており、治療満足度が低いことが問題の一つとなっています。
大うつ病なんて、薬物療法よりもDr.のカウンセリングのほうが効果が高いくらいです。(中等度以上の大うつ病は薬物療法が推奨されています)
ゲームで気分が改善されれば、薬なんかよりもよっぽど効果があるかも?って気もしますよね。(私が言っちゃいけないのですが。)
製薬会社のゲーミフィケーションの取り組み
それでは実際の製薬会社におけるゲーミフィケーションの動きを見てみましょう。
・アステラス製薬
大手製薬会社のアステラス製薬は、バンダイ等と協同して、ゲーム性を取り入れた運動支援アプリの開発を進めています。
さらにアステラスさんは、東京芸術大学、横浜市立大学とも提携し、ゲーミフィケーションを取り入れたヘルスケアソリューションの実用化を目指す3社間の研究開発の枠組み「ヘルスモックラボ」を発足して、実用化の検討に向けて協議を進めています。
(参考:ニュース | アステラス製薬)
・塩野義製薬
中堅製薬会社の塩野義製薬は、デジタル治療用アプリの開発を手がけるアメリカの会社から、小児注意欠陥/多動性障害(ADHD)向けの「AKL-T01」、自閉症スペクトラム症(ASD)向けの「AKL-T02」という二つのデジタル治療アプリにおける独占的開発・販売権を獲得し、日本での開発を進めています。
なお、海外の臨床試験の結果では既に統計学的に有意な改善効果が認められています。
塩野義さんは最近結構攻めている気がしますね。
ゾフルーザの件で株価はふるぼっこですが。
(2019/3/7:デジタル治療用アプリAKL-T01、AKL-T02の導入に関するAkili社とのライセンス契約締結について参照 )
・武田薬品工業
日本最大手の製薬会社の武田薬品工業ではメタボリック症候群の改善に向けた予防医療にフォーカスしています。
メタボ改善のための新規事業を電通やアフラック生命保険等の8社と検討を進めているそうです。
こちらはまだ構想段階で、具体的なところまでは到達していないと思われます。
まとめ
今日はゲームとヘルスケアについて考えてきました。
まだ製薬企業の取り組みはアイデア段階が多く、製薬企業の事業課題や医療上の課題を解決できるかは、未知数です。
しかし日本製薬工業協会のデータでは、ゲームが関連する臨床試験は2012年以降平均22%の伸びを示し、現在までに世界で約300件程実施されているようです。
きちんとエビデンスを蓄積して有用性を示していくことができれば、今後飛躍的に成長する分野となっていくのではないでしょうか。
やりすぎはよくないですが、適度なゲームはとてもよいものだと思います。
偏見に負けず、娯楽の一つとしてだけでなく、医療分野においても活用されていることを祈っています!
途中、極めてマニアックな内容も盛り込みつつ、やたら長くなってしまいましたが、お付き合いいただきましてありがとうございました!