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医療の話題

よく処方される漢方薬はなに?漢方薬はこれからも使われていくのか?(ツムラ:4540)

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みなさまは漢方薬にどんな印象をお持ちですか?

副作用がない天然の薬?効果があまりない怪しい薬?

今日は漢方薬の医薬品に占める割合や売り上げ上位の薬剤等から、漢方薬について少し考えてみたいと思います。

漢方薬の医薬品に占める割合と売り上げ(2019年)

漢方薬は民間薬のように思われる方もおられるかもしれませんが、医薬品として確かな地位と売り上げを有しております。

2019年のデータでは医療用医薬品全体に占める医療用漢方製剤は2.3%(1514億円)であり、前年と比較して改善した他、一般用医薬品に占める一般用漢方製剤も4.7%(338億円)と前年から0.4ポイント上昇しています。

漢方薬の効果を示す報告や論文(エビデンス)も多く出されており、決して怪しい薬ではないことが分かるかと思います。

ただし副作用が全くないというのは嘘です。天然だろうが人工だろうが副作用がない薬はありません。(それはただのお水やお砂糖です)。

漢方薬はその性質上、様々な成分を含んでおり、エッジの効いた(作用部位や受容体を特定した)人工の医薬品よりもマイルドに効くため、副作用が弱いと考えることはできます

「漢方薬は自然由来、天然由来だから副作用がない」の嘘  先日、漢方薬は自然由来だから副作用がない!みたいなtweetが医療従事者から「ふるぼっこ」にされているのを見かけました。 私としても...

売り上げ上位の漢方薬(2019年)

さて、一定の地位を有している漢方薬ですが、売り上げ上位の薬剤はどんな薬剤でしょうか。

2019年の売り上げ上位3薬剤は下記のとおりです。

それぞれの簡単な解説とツムラにおける製品番号も記載しました。

※ツムラの製品だけで売り上げが決まっているわけではありません。またツムラにおける売り上げ順位は下記と異なります。

  • 1位:補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
  • 胃腸の働きが弱っていたり、活力がないだるい状態に用いられます。(ツムラ41番)
  • 2位:大建中湯(ダイケンチュウトウ)
  • お腹が冷えて痛くなったり、膨満感がある場合に用いられます。(ツムラ100番)
  • 3位:柴苓湯(サイレイトウ)
  • 胃腸炎や下痢症状に用いられます。(ツムラ114番)

葛根湯あたりかと思いましたが、全然違いました

上記でも触れましたが、漢方薬関連で上場している企業といえばツムラ(4540)が有名ですね。

株価は3000円前後でそこそこ安定していますが、今後劇的な成長があるかというと、それはなかなか難しいのではないかと思います。

ただ漢方薬がなくなることは、少なくとも直近すぐにはないと思いますので、安定している企業と考えています。

医療費削減の槍玉に挙がることも。保険から外されることはある?

近年、医療費の問題から「医療用医薬品における市販品類似薬を保険から外す」という議論が挙がることがあります。

そのような時についでに槍玉に挙げられるのが「漢方薬」です。

民主党時代の事業仕分けで、漢方薬が保険から外されそうになったことをご存知ですか?

その時は反対署名が100万人近く集まり、結局保険から外されるのは免れましたが、今後も医療費削減のために槍玉に挙がる可能性はあります

ただし漢方薬の有用性を後押しするエビデンスも多数出ており、保険から外されるような無茶はないと私は考えています。

一定の地位を得ているといっても、全体に占める割合が高いわけでもないため、医療費としてもそこまで大きな影響はないですしね。

まとめ

漢方薬について少し考えてきました。

漢方薬は現代社会においても医薬品として認められており、需要も売り上げもあります。

ただし天然だからといって副作用がないことはなく、また一般的に人工の医薬品よりも効果がマイルド(優しい)です。

医師は患者の状態や要望に応じて、適切な医薬品を処方します。

その中に漢方があったとしても、それはその薬剤が適切だと考えられたから処方されたのですね。

漢方薬も他の医薬品と同じように患者さんの健康に貢献しているものと思いますので、これからも活用されていくものと考えています。