今日は薬に関する身近な豆知識を10個ご紹介させて頂こうと思います。
どれも有名なお話なので、どこかで目にされた方も多いかも?
くだらないものから、実用的なものまで適当にピックアップしました。
ご存じないものがあったら、明日のお茶の小ネタにどうぞー!
そしてみなさんのとっておきのネタがあったら、次回(あったら)に組み込みますので、ぜひぜひ教えてくださいね!
Contents
1.エリクサーは実在する!
エリクサー(Elixir)を知らない人はいませんよね?
HPMP全回復するアレです。
「エリクサーが使えない病」という慢性疾患に罹患されている方も多いと思います。
日本国民の有病率は75%を優に超える(るな調べ)重大な疾患です。
関連疾患として「種使えない病」も確認されています。
私も罹患していますが、使わざるを得ないタイミングでは躊躇なく使います。
さて、そのエリクサーの読み方を変えたものでエリキシル剤というものがあります。
Elixir、エリクサーとも読めますが、エリキシルとも読めますね。
エリクサーよりはマイナーですが、アトリエシリーズでも出てきていますので、聞いたこともある方がおられるかもしれません。
前置きが長くなりましたが、このエリキシル剤は空想世界の産物ではなく、普通にあります。
といっても、全回復するような代物ではなく、剤型としてあるのです。
日本薬局方において、エリキシル剤は「甘味及び芳香のあるエタノールを含む澄明な液状の経口液剤」と定義されます。
医薬品だとデカドロン(デキサメタゾン)が有名でしょうか?
例のCOVID-19に効果があると言われているステロイドですね!
実在するエリクサーはちょっとしょぼいですが、現実とはそういうものですね。
語源をたどるとロマンがありますが、現実は非情です。
ということで、エリクサー使えない病は克服できそうですかね?
2.口腔内崩壊錠(OD)は口で溶ける。口は溶けない!
ちょっと前に話題になっていましたが、口腔内崩壊錠(Orally disintegrating tablet)は口腔が崩壊するわけではなく、
錠剤が口腔内で崩壊する製剤ということですね。
ラムネみたいなものです。
そりゃ口腔内が崩壊する薬を出されたら、びっくりですからね。
そんなのだったら排水溝とかに入れておけば、ぬめりがとれるかしら?
何で口の中で溶けるようにしているかというと、下記のような利点があるからですね。
でも口の中で舐め舐めしてとけるということは、その分吸湿しやすい等の欠点はあります。
お薬ボックスとかに出しておくことはお勧めしません。
ちなみに薬が口に残るとあまり良くないので、私は水で飲んじゃいますね。
あんまり口腔内崩壊錠の意味ないかな?
この辺は本場の薬剤師のご意見を伺いたいところです。
3.カプセル剤は開けないで。錠剤も勝手に割ったりしちゃだめ!
はるか昔、カプセルの中身が見えているビタミン剤があり、どうしても中身のつぶつぶが食べたくて開けてみたことがあります。
ということがあったので、私はカプセル剤を開けることはやめました。
そんな味の問題だけなら、まぁ大したことないのですが、
カプセル剤を開けることは別の問題があります。
薬の効き目に影響があるのです。
どこかでADMEのお話をしたことがあったかと思います。
ADMEとは吸収・分布・代謝・排泄のことです。
いわゆる薬を飲んで、外に出すまでの流れです。
口から飲んだ薬はその全てが吸収されることはまずありません。
胃で分解されたりするからですね。
また途中で溶けることで副作用を及ぼす可能性もあります。
アスピリンで胃が痛くなるのは有名ですね!
だからこそカプセル剤や錠剤自体に工夫がされているのです。
カプセル剤を開けたり、錠剤を安易に割ることはその工夫を捨てることになります。
もちろん割っても大丈夫な薬もあります。
薬剤師はそのような点も考えて、調剤しているのですね。
4.セルフメディケーション税制使ってます?
セルフメディケーション税制とは、医療費控除の特例として、スイッチOTC医薬品を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができる制度です。
この分かりにくい用語満載の感じが、避けられる原因でしょうね。
スイッチOTCとは文字通り、医療用から市販薬(OTC)にスイッチ(切り替えた)された医薬品のことです。
雑に言えば、医療用と同じレベルの効力があります。
ここが個人的に一番の躓きポイント。
対象品目は下の方に示したURLに記載がありますので、ご興味ある方はそちらをどうぞ。
ドラッグストアももう少し分かりやすくしてくれないかな?
さて、話を戻しますが、そんなスイッチOTC医薬品を薬局なりドラッグストアで購入(12,000円以上)して確定申告すると、税金減らしてあげる♡
という制度なのです。
12,000円のハードルの高さ。
これもなかなか。
薬は高いですが、あえてクリニックにかからず、ドラッグストアで12,000円分のスイッチOTCを購入するかというと何とも。
実際はどうなのでしょうか?
そして確定申告という時点で、またいなくなる人が増えましたね。
でもここは大丈夫です。
確定申告は今はWebでもできますし、郵送もできます。
大した手間はかかりません。
費用対効果があるかは購入する医薬品の金額によりますけどね。
興味ある方は厚生労働省のページをご参考ください
5.処方箋には有効期限がある!
これも少し前に話題に挙がりましたね。
知らない人が意外と多くて、私も驚きました。
処方箋の有効期限は発行日を含めて4日間なのです。
これは暦日であるため、土日祝日、年末年始もお構いなく含まれます。
容赦ありません。
このことは「保険医療機関及び保険医療養担当規則」により定められております。
でも別にいじわるしているわけではないのです。
あまり時間が経つと、処方箋が腐るからです。
あの紙が腐るのではないですよ?
中身の処方が腐るのです。
病態は移り行くものです。
医師はその時の状態を診察し、適切な処方を考えて、処方箋を書いてくれます。
これを放置して時間が経過してしまえば、その処方の意味が薄れてしまうのですね。
医療機関にかかったら、薬局もセットで行くのが一番ですね!
6.目薬は1滴でよい! / ぱちぱちはしない!
目薬の1滴は製品にもよりますが、だいたい40マイクロリットルになります。
一方で点眼した目薬が目に貯まる量は決まっており、約30マイクロリットルになります。
つまり目に1滴でも入れば十分量ということです。
無駄に差せば、目薬がもったいないだけでなく、目の周りに溢れた目薬による副作用も懸念されます。
なお目薬の差し方は添付文書や薬局からもらう情報提供書もご参考ください。
また目薬を差した後にぱちぱちする方がいますが、ぱちぱちは目薬が流れてしまいますのでしないほうが良いです。
目薬を差した後は目頭をそっと抑えてしばらく待ちましょう。
ちなみに私は昔、目薬した後に「ぱちぱちして!」と言われて、手を叩いていたそうです。
・・・それは違う。
しかしぱちぱち自体もダメだということで、これはノーカンですね。
7.薬のビンに入っているぴらぴら(ビニール)は捨てていい!
ビン入りの薬を買うと、蓋開けてすぐにビニールのぴらぴらが入っていますよね?
あれ、湿気取りかな?なんて思ったりもしますが、違うのです。
あれは輸送時に中の錠剤がころころして、割れてしまうのを防ぐためのものなのです。
お薬を飲むときに出したり入れたりしていると、ばっちいですので、捨ててしまってOKです!
おけまるです!
ぴらぴら捨てるの難しくて、錠剤がぱらぱら下に落ちると、ぷちおこですよねー!
え?みなさんはそんなことありませんか?
・・・私が雑だからかな?
8.食間服薬は食べながら服薬するのではない!
お薬の説明書に「食間」に服薬してくださいと書かれていることありますよね?
あれ、ご飯食べながら飲めばいいの?と思う方がいるかもしれませんが、違うのです。
食間は「食事と食事の間」なのです。分かりにくいですよねー。
下記に簡単に服薬タイミングについてまとめましたので、ご参考ください。
いつ飲んでも同じじゃん!と思われるかもしれませんが、薬によっては服薬タイミングが異なるだけで、
吸収が劇的に落ちたり、副作用が生じる可能性がありますので、きちんと服薬タイミングを守りましょう。
(と言いつつ葛根湯はつい食前に飲み忘れて、食後に飲んでしまう私)
9.薬のシートがばらばらにできないのは誤飲防止のため
薬のシートは一般的にはPTPシートというシートに入っています。
これ、外出の時に3錠だけ持っていこう!なんて時、1錠ずつにばらせなくて不便だなーって思ったことありませんか?
横線は入っているので2錠ずつは簡単ですが、縦線がないので、それ以上ばらせないのですよね。
これはシートごと飲み混んでしまう誤飲が発生したために、このような形式になりました。
確かに切った後のかどっこが、とんがっていて、飲みこんだら危ないですよねー。
飲み込まなくても手を切るかもしれません(負けは数知れず)
10.静脈注射は吸収率100%で即効性もある!
注射、痛いから嫌ですよね?
でも静脈注射って吸収の面では非常に優れた投与法なのです。
口から入った薬は胃液や腸液に晒されながら、主として小腸から吸収されて、肝臓を経て、やっと血液中に来るわけです。その過程で薬によりますが、かなりの薬が失われてしまいます。
ところが静脈にちくっと入れた場合は、入れたものがそのまま血液にのりますので、吸収率は100%となるわけです。
もちろん直接入れることから、投与から吸収されるまでのスピードも速いです。
注射での投与は、薬物成分的に経口投与ができないケースや、即効性を見越した投与方法ということですね!
何もいじわるして注射にしているわけではないのです。
ちなみに舌下投与(ニトログリセリン)や直腸投与も吸収率が100%近くになります。
心臓が痛い時に薬を飲む描写がありますね。
あれはニトログリセリンの舌下錠なので、すぐに効果があるというわけです。
まとめ
今日は身近な軽い雑学を10個紹介させて頂きました。
有名な話かもしれないので、全部ご存知の方もおられるかもしれません。
かくいう私は、薬学部で学ぶまでは「全部知りません」でした!!
体感的にカプセルは開けない!ということぐらいですね。
業界の常識が他の業界では新鮮だったりするところが、面白いですよねー!
みなさんのとっておきの豆知識があったら教えてくださいね。
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