みなさん、ポケモンBDSPはプレイされていますか?
ダイパから約15年が経過し、懐かしみながらお子様と遊んでいる方も多いかもしれませんね。
今や世界的に有名になったポケモンですが、タウリンやインドメタシン等、努力値をアップさせる道具には薬剤師的に気になるものがたくさんあります。
今日はそんなポケモンの道具について、簡単に薬学的な解説をしてみましょう。
タウリン(こうげき)
タウリンはこうげきの努力値を+10する道具ですね。
タウリンに限らず、努力値アップの栄養ドリンク系は+100までが限界だったように記憶していますが、BDSPではこのキャップが+252になっているようですね。
努力値アップの道具は約1万円と高額ですが、ちまちまポケモンを倒して努力値を稼ぐよりも、効率的に努力値を加算することができるようになりました。
話がそれましたが、タウリンは現実世界でも有名な物質かと思われます。
タウリン1,000mg配合の某栄養ドリンクですね!
攻撃が上がりそうなイメージにぴったりな物質ですよね。
そんなタウリンですが、実はアミノ酸の一種になります。
肉類、乳製品、魚介類に多く含まれ、特に牡蠣・しじみ・あさり・ホタテ等の貝類や、たこ・いかなど軟体動物に多く含まれているそうです。
タウリンの作用としては、胆汁の生成や神経系の伝達、浸透圧の調整、細胞膜の安定化等の働きがあります。
人における研究ではタウリンの投与が筋肉の疲労や摩耗の原因となる老廃物の除去を助け、筋肉細胞へのダメージや酸化ストレスを軽減する効果が確認されているとのことです。
またその他にも、運動時の脂肪燃焼の効率の上昇も確認されており、効果的な体重減少を助ける効果も期待されているそうです。
参考:https://brand.taisho.co.jp/contents/tsukare/detail_182.html
ブロムヘキシン(ぼうぎょ)
ブロムヘキシンはぼうぎょの努力値を+10する道具ですね。
小学生の頃は防御=ブロック=”ブロ”ムヘキシン!みたいなイメージで覚えていました。
しかしよくいる小学生の例にもれず、私はこうげき/とくこう全振りな女の子でしたので、
ブロムヘキシンのお世話になることはあまりなかったように記憶しております。
さてそんなブロムヘキシンですが、大学の講義でめでたく再会しました。
ブロムヘキシンは医薬品なのです!
主に気管支炎や肺結核、手術後の去痰に用いられています。
作用機序としては、気管支粘膜及び粘膜下気管腺の分泌を活性化し、漿液性分泌を増加させます。
また気道粘膜の杯細胞及び気管腺において粘液溶解作用を示します。
それに加えて、線毛運動を亢進させる作用があります。
気管のあたりの防御をアップさせている感じですね!
薬学生のみなさんはこのイメージでブロムヘキシンを覚えれば、きっと忘れることはないはずです!
リゾチウム(とくこう)
リゾチウムはとくこうの努力値を+10する道具ですね。
ブイズが好きな私はエーフィーやサンダース、シャワーズにまずつぎ込んでいましたね。
とくこう全振りは小学生の基本です!
ちなみにダイパ時代は少々知恵をつけまして、HP+とくぼうにふった、
どくどく+まもる+アクアリングにたべのこしのシャワーズで、親戚の子を泣かしてしまいました。
さてそんなリゾチウムですが、現実では微妙に名前の変わった物質で知られています。
恐らくリゾチームからとられたものと推測しています。
リゾチームはいわゆる酵素になります。
ムコ多糖類を加水分解する機能を持っています。
リゾチームを含む医薬品は1960年代に相次いで発売されましたが、2012年に厚労省から再評価指定を受け、有用性が確認できないとされてしまいました。
うーん、あまりとくこうが上がるイメージではないですね。
今の時代だと何がよいのでしょうね?
切れ味抜群なのだとハーボニー(レジパスビル+ソホスブビル)とかでしょうか?
かっこよさとインパクト的にはゾルゲンスマでもいいかも!
キトサン(とくぼう)
キトサンはとくぼうの努力値を+10する道具ですね。
初代はとくこうがとくぼうを兼ねていたので、存在しなかった道具のようです。
防御を省みなかった私としてはあまりなじみのない物質でしたが、ダイパ時代はそれなりにお世話になりましたね。
受けてから倒すという戦略は、大人のエレガントな戦略として私の中に取り込まれていったのです。
なお防御や補助、状態上の重要性を教えてくれたのはアトラスさんでした。
さてそんなキトサンですが、現実では多糖類の一種となります。
キトサンは特定保健用食品として「コレステロールの体内への吸収をしにくくする」なんて効果が認められています。
ふーん…って感じですね。
まぁ特定保健用食品について話し出すと止まらなくなりますので、ここでは突っ込みません。
どうですか?
とくぼう上がりそうですか?
キトサンというよりかはキチンのほうが、堅いイメージでとくぼうがありそうな感じがしますね!
キチンは甲殻類の殻などに含まれています。
黒いあいつにも・・・
インドメタシン(すばやさ)
インドメタシンはすばやさの努力値を+10する道具ですね。
先に動いて圧倒的な攻撃力でねじ伏せる。
これは小学生的には最もシンプルイズベストな戦略です。
ドラクエでも先制イオナズンとか大好きでした。
ポケモンにおいてもそれは変わらず、私もエーフィーにインドメタシンを投与して、
サイコキネシスで蹂躙(ストーリーだけ)していたのです。
このインドメタシンですが、これら努力値アップ系の道具の中では、
タウリンについて有名なものかと思われます。
インドメタシンはいわゆるNSAIDsです。
つまり非ステロイド性消炎鎮痛薬ということです。
痛みの原因物質であるプロスタグランジンを生み出す酵素(シクロオキシゲナーゼ)に作用し、プロスタグランジンが発生するのを抑制する作用を持ちます。
ここでは深く触れませんが、COX-1阻害により胃に対する副作用が強いので、外用剤としての使用の方がなじみ深いかもしれませんね。
インドメタシンパップを痛む脚に貼れば、痛みも引いてすばやさもアップしそうな感じがしますね!
まぁでも、個人的にはとてもイメージに合う効果だと思っています!
マックスアップ(HP)
マックスアップはHPの努力値を+10する道具ですね。
HPは戦闘中は常に目に見えるステータスですので、小学生の私でも重視していたステータスでした。
しかしこの安直な名前。
なぜこれだけそのままなのか?
もしかして私の知らないだけで、医薬品や物質として何か元ネタあります?
何かあれば追記しますので教えてくださいね。
まとめ
今日はポケモンの道具を薬学的観点で見てみました。
ゲームは色々な興味のきっかけになりますよね。
私もバイオハザードやアトリエシリーズのおかげで、薬学部に進んだようなものです。
どこかのうどん県ではゲームが不当にいじめられていますが、良い面にも目を向けて欲しいなと思います!