先日、アンジェスのDNAワクチンについてまとめましたが、今日は武田薬品工業の動きについてまとめます。
武田さんは血漿分画製剤TAK-888の研究開発を進め、最短9か月での上市を目指しています。
アンジェスなどとは違い(失礼)、実績も信頼も豊富な世界的企業ですので、ギリアドと同様に期待しております。
血漿分画製剤とは何なのか?
打倒コロナウイルスの救世主となり得るのか?
そのあたりについて考えてみましょう。
要約
・血漿分画製剤は血液から作られる医薬品
・免疫グロブリン製剤は抗体が含まれる製剤
・TAK-888はコロナウイルスの特殊免疫グロブリン製剤
・TAK-888は回復患者の血液から得られた抗体を活用して作成
・TAK-888は最短9か月で上市予定
血漿分画製剤とは?
人の血液から作り出される医薬品を総称して「血液製剤」と呼びます。
この血液製剤ですが、大きく分けて、「全血製剤」「血液成分製剤」「血漿分画製剤」に分類されます。
この中で「血漿分画製剤」は、血漿と呼ばれる液体を分画・精製した「たんぱく質製剤」のことを指します。
血漿分画製剤の種類
血漿分画製剤には、アルブミン製剤、凝固因子製剤、免疫グロブリン製剤があります。
アルブミン製剤は、血液中のアルブミンが不足して、血管の外に水分が貯まってしまった場合に、その水分を血管内に引き込むために使用されます。
要は血液の浸透圧を上げるということです。
肝臓が悪い人はアルブミンの生成が落ちるので、血液外に水分が漏出し、腹水になりますね。
凝固因子製剤は、その名の通り、止血に必要な凝固因子が含まれている製剤です。
用途も読んで字のごとくですね。
免疫グロブリン製剤は、抗生物質と一緒に重症感染症等の治療に使用されます。
今回重要なのはこのグロブリン製剤です。
免疫グロブリン製剤とは?
免疫グロブリンとは、簡単に言えば抗体たんぱく質です。
抗体は抗原(ウイルス等)にくっついて、抗原を無力化します。
免疫グロブリン製剤にも種類がありますが、今回のTAK-888が分類されるのは「特殊免疫(高度免疫)グロブリン製剤」になります。
特殊免疫グロブリン抗体とは、ある特定の抗体を多く含む免疫グロブリン製剤です。
現時点では、抗HBs人免疫グロブリン製剤(B型肝炎発症予防や母子感染の予防)、抗破傷風人免疫グロブリン製剤(破傷風の発症予防や治療)、抗D人免疫グロブリン製剤(Rh血液型不適合妊娠による新生児溶血性黄疸の予防)等が医療現場にて使用されています。
特殊免疫グロブリン抗体はSARSの際も有効性が示されている血漿分画製剤であり、今回のCOVID-19の治療においても有力な選択肢になる可能性があります。
TAK-888とは?
概要
さて、今回のTAK-888が特殊免疫グロブリン製剤ということはご理解頂けたかと思います。
ではこの製剤をどうやって作るか?という点を考えてみましょう。
「TAK-888」は、「COVID-19」の回復患者から採取した血漿の病原体特異的な抗体を濃縮することで作り出します。
回復した患者の体内には、「COVID-19」を倒した抗ウイルス抗体があるのです!
これを頂き、医薬品とするわけです。
打ち勝った人から勝ち方を教わるのです。
血液の確保の問題
「TAK-888」を作成するには、「COVID-19」から回復した患者や、ワクチン接種を受けた人(今後ワクチン開発された場合)から血漿を得る必要があります。
現段階では難しいため、このあたりの調整が必要です
進捗と今後
武田薬品は大枚叩いて、シャイアーの買収を行いました。
シャイアーの技術と自社の技術基盤を合わせて、迅速に開発を進めていけるでしょう。
現在武田薬品は、日本を含むアジア、米国、欧州などの各国規制当局と開発に向けた協議を行っており、最短9か月での上市を目指しています。
早ければ年内には上市できるかもしれませんね。
まとめ
今日は武田さんの血漿分画製剤TAK-888についてまとめました。
シャイアーを買収し、さらに強大な力を得た武田薬品工業。
こういうときこそ、世界的企業の真の力を見せてほしいところです。
私は期待しています。
武田さん、頑張って!
雑記
昨日のGD寄り天大暴落からの、まさかのプラ転には驚きましたが、今日は元気なかったですね。
私は19,000円割れた際に全軍突撃して、何とかリバ取りはできましたが、怖いのでもう売ってしまいました。
ちなみに三井住友(8316)とJT(2914)で勝負しました。
さすがに配当クッション効くかなと。
いったんは持ち直した市況ですが、まだ安心はできない。
再び暴落する可能性だって、過去を省みれば十分考えられます。
知らなかったのか…?大暴落からは逃げられない…!!!
きゃああああーーーーーーーー!!(原作未読)